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第1回 和訳編:「interview」と「インタビュー」は同じ!?

「interview」を見たら反射的に「インタビュー」と訳している例を時々見ます。日本語として馴染み深い語なので、ついそう訳してしまうのでしょう。

「I had an interview for a sales clerk position.」を「私は店員職としてのインタビューを受けた」と訳した文を数回見たことがあります。が、これでは、日本語だけ読むと「(現在自分が働いている)店員という仕事についてのインタビューを受けた」という意味になってしまいます。もちろんここは、「(これから就きたい仕事である)店員という職を得るための面接を受けた」という意味です。翻訳者はおそらく意味を正しく捉えているのでしょう。しかし「interview」を日本語の「インタビュー」とそのまま置き換えてしまったために、訳文としては意味が変わってしまったのです。

<日本語の定義>
大辞林で「インタビュー」を引いてみると、「新聞・雑誌や放送の記者などが取材のために人に会って話をきくこと。インタヴュー。」とあります。

<英語の定義>
ジーニアスで「interview(名詞)」の項を見てみます。すると、この3つの意味が記されていました。

  • (公式の)会見、会談;〔就職などの/人との〕面接、面談;(医者の)診察
  • 記者などの)インタビュー、取材訪問、聞きこみ捜査
  • 訪問[会見]記事

<例文>
interviewが持つ上記の3つの意味に対応する例文をそれぞれ挙げてみます。

  • The mayor finally appeared for an interview.
    「市長がやっと会見に現れた」
  • He answered the questions in the magazine interview.
    「彼は雑誌のインタビューの中でそれらの質問に答えた」
  • The interview with the governor written by a high school student appeared in a newspaper.
    「高校生の書いた知事訪問記事が新聞に掲載された」

つまり、「interview」は日本語の「インタビュー」よりも広い意味を持っているため、「interview」を「インタビュー」と訳していいのは、上記2の意味のときだけということになります。最初に挙げた例では、1の意味で使用されているのに「インタビュー」としたのがミスの大本だったということです。

辞書をこまめに引くだけでかなりの誤訳が防げます。すべての基本は辞書にある。自戒を込めて……。

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